沖縄県旧慣租税制度 (おきなわけんきゅうかんそぜいせいど)

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概要・解説文

沖縄県庁 1895年刊「沖縄県旧慣租税制度」 解説

 『沖縄県旧慣租税制度』は琉球王国時代以来の琉球・沖縄の租税制度の調査報告書です。沖縄県庁によってまとめられました。この報告書は日清戦争(1894~1895)によって琉球・沖縄が沖縄県として実質的に明治日本の一部となった時期に、明治政府による本格的な沖縄県統治の準備作業の一つとして作成されました。

 すでに1879年には沖縄県は発足していましたが、琉球・沖縄では従来通り、清朝中国に対して「臣下(しんか)」の立場で外交関係を続けることや、清朝中国の援助を受けて琉球王国を復活させようとする動きも活発でした。しかし日清戦争により清朝の衰退が決定的になると公同会運動(こうどうかいうんどう)などの抵抗運動もありましたが、沖縄県が完全に明治政府の統治下に入っていきました。

 この報告書は明治政府が沖縄県の租税制度をどのように明治日本の標準的な租税制度に持って行くかを検討するために作成されたものですが、結果的に琉球王国時代の租税制度を詳しく知ることの出来る最重要史料としての歴史的価値を持つことになりました。

(鶴田 大)

詳細解説文

 この報告書が作成された当時の沖縄県は「旧慣温存政策(きゅうかんおんぞんせいさく)」による弊害(へいがい)に苦しんでいました。旧慣温存政策とは、文字通り琉球王国時代の社会制度を出来るだけそのまま継続させるという明治政府の政策でした。歴史的・文化的に独自性のつよい琉球・沖縄を統治するためには王族や士族などの旧支配層の協力をとりつけることが不可欠であるという明治政府の考えが背景にあったのです。たいへんな時代の変革期にあって明治政府にしっかりとした政策をとる余裕がなかったという事情もありました。旧慣温存政策は結果的に20世紀初頭になるまで続くことになります。

 現在では、この旧慣温存政策こそが、沖縄県の経済発展を大幅に遅らせ、沖縄社会全体を大きく停滞させる原因となったと広く認められています。なかでも租税制度は琉球・沖縄の経済の中核を為すものでしたから重大でした。社会全体の調査・改革を行ったのちに初めて見直しが可能になる性格の制度ですから、変更も容易ではありませんでした。

 報告書は「地租」「焼酎税」「琉球形船税(りゅうきゅうかたふなぜい )」の三編に分かれています。焼酎(泡盛)や船についてそれぞれ一編を費やしているのはいかにも琉球王国らしいところですが、中心となっているのは土地制度やそこから徴収される租税である、第一編の「地租」部分です。ページ数をみても「地租」が136ページ分、「焼酎税」が20ページ分、「琉球形船税」が16ページ分となっています。

 土地共有制など、21世紀になっても一部地域で残存する沖縄伝統の社会制度は地域文化として一定の歴史的価値を持つものですが、明治期の沖縄において旧来の土地制度・租税制度を継続することは実際には農民たちを深刻な困窮へ追いやるものだったようです。すでに社会的に行政官としての役割を果たさなくなっていた旧支配層への富や特権の集中は社会の停滞を招き、また不正を許す温床(おんしょう)になったからです。旧慣温存政策は1893年頃~1903年にわたって宮古島民らが行った人頭税(じんとうぜい)廃止運動を一つのピークとして沖縄各地で起こった農民らの請願運動や、1899年の沖縄県土地整理法の完了により次第に改革され廃止されるに至りました。この報告書もそうした時代の大きな動きの中で旧慣温存政策廃止へ向けて作成されたといえます。

参考文献・調査ノート

(参考文献)
・『沖縄大百科事典』(沖縄タイムス社 1987年刊)
※「沖縄県旧慣租税制度」「旧慣温存政策」ほか各項目参照。
・『教養講座 琉球・沖縄史』(新城俊昭 編著 編集工房東洋企画 2014年刊)
※p.222-233「旧慣温存策と沖縄県政」、p.234-244「沖縄における民権運動」、p 245-248「旧慣の改革と特別制度の撤廃」参照。
・『国史大辞典』(吉川弘文館 1997年刊)
※「地主制」ほか各項目参照。

(調査ノート)
・表紙には毛筆書きで「沖縄県旧慣租税制度」とタイトルがあり、右下辺に旧蔵者である歴史家・比嘉春潮(ひが・しゅんちょう)の印章、「比嘉春潮 蔵(ぞう)」が押されている。
・本文に比嘉春潮によるとみられる多くの書き込みがみられる。
・日本全体の地主制(税制に守られた特権的地主による大土地所有と土地を持たない小作農(こさくのう)が存在する極端に不平等な土地制度)はその後も継続し、1946 (昭和21) 年になって、連合軍最高司令官により発令された農民解放司令によりその改革が行われ、1950(昭和25) 年に一応の完了をみた。
しばらくお待ちください