本草質問 1 (ほんぞうしつもん)

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概要・解説文

『本草質問(ほんぞう・しつもん)』沖縄県立図書館本 (筆写本(ひっしゃぼん)) 第1冊(全3冊) 解説

 沖縄県立図書館本『本草質問』(以下、県立図書館本)は、よく似た題名の『質問本草(しつもん・ほんぞう)』という本草学(ほんぞうがく≒植物の薬効などを研究する学問)の本の筆写本の一種です。『質問本草』自体が後に述べるように江戸時代の本草学書を代表する重要な本なのですが、この県立図書館本はその編集過程を筆写した内容を持つ異本(≒同一の原本や草稿本から生じた内容の異なる本)として、特に重要な本として知られています。

 『質問本草』は薩摩藩主・島津重豪(しまづ・しげひで 1745~1833)が琉球王国の協力を得て1785~1789年にわたって編集した本で、孫である藩主・島津斉彬(しまづ・なりあきら1809~1858)によって1837年に刊行されました。内容は鹿児島県から沖縄県に自生する植物の薬効を植物図と共にまとめた本です。刊行本では著者が琉球の呉継志(ご・けいし)となっていますが、その後の研究により、実際には薩摩藩の本草学者・村田経稻(むらた・けいとう)が中心となってまとめられたものと考えられるようになっています。

 本草学の本は通常、植物の図と解説文をセットにしてまとめられますが、『質問本草』についてもそのような伝統的なスタイルをとっています。『質問本草』が画期的であるのは、植物の薬効について、古典や自分たちの経験だけによらず、本草学の本場である同時代の中国の情報を集めたことです。この試みが成功したのは、琉球王国の人々の協力があったからです。当時の「日本」は中国と正式の国交がありませんでしたから、正式の国交を持つ琉球王国の人々らが中国へ渡航する際に専門家に植物の図を見てもらい、中国名や薬効についての情報を提供してもらったというわけです。

 県立図書館本は、『質問本草』(1837年刊行本)の編集過程の本の内容を筆写した本であることが研究者らにより確認されています。刊行された本とは内容的にも構成的にも大きな隔たりがあり、編集過程を知る上で興味深い史料です。また、刊行された質問本草は単色刷りの木版本ですが、この県立図書館本は豪華に彩色された本で、美術品としてもすぐれたものとなっています。このような入念な彩色があることから県立図書館本は実際的な草稿本ではなく、編集のある段階の本を豪華な図版と共にまとめた本とみられています。

 県立図書館本がいつ頃、誰によってまとめられたかは不明ですが、蔵書印などから戦前の県立図書館にあった本がおそらく沖縄戦の混乱で行方不明になり、「スタンレー・べネット氏」によって戦後、寄贈されたことがわかります。戦前の県立図書館の蔵書はほぼ全てが失われたとみられているので、再所蔵本として、非常に重要な意義を持ちます。また、スタンレー・べネット氏は日本生まれでありながら沖縄戦にアメリカ軍の軍人として参戦したという運命のいたづらに翻弄(ほんろう)された有名な生物学者です。こうした意味からも重要な興味深い本です。

 刊行された『質問本草』では構成も整理され、「内編」(服用によって薬効を持つ植物を収録)・「外編」(皮膚への塗り薬となる植物・不明の植物を収録)・「付録」(琉球を含む南西諸島でのみ自生する植物を収録)に分かれています。しかし県立図書館本ではまだ構成・未整理の段階で製本時のページの混乱もあり、注意が必要とみられています。この第1冊には彩色植物図が82図収録されています。最初の4点のみ、薬効などの記述(≒中国への問い合わせの回答など)があります。

(鶴田大)

参考文献・調査ノート

(参考文献)
『沖縄大百科事典』(沖縄タイムス社 1981年刊) ※項目「質問本草」など参照。
『訳注 質問本草』(原田禹雄 訳注 榕樹書林 2002年刊)
※刊行本の全図を掲載し、訳注を付けているほか、末尾に『質問本草』の研究史、さらにこの「沖縄県立図書館本」についての詳しい解説がある。
ほか

(調査ノート)
○各冊の表紙に「共五冊」とあり、本来、五冊本であったことが知られます。二冊が失われたのか、現在の三冊本が五冊分を三冊にまとめたものか、はっきりとしません。
○『本草質問』の第2冊・第3冊の冒頭には、戦前のものとみられる沖縄県立図書館の蔵書印があります。県立図書館の所蔵本は全て1945年の沖縄戦で失われたとされていますが、この『本草質問』(3冊)が戦前の県立図書館の所蔵本とすると、確認される唯一の再所蔵資料ということになります。

(鶴田大)
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