志乃布久佐 (しのぶぐさ)

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概要・解説文

『志乃布久佐(しのぶくさ)』(八田知紀(はった・とものり) 歌集)  全1冊(全4編合本) 木版本 解説

 『志のぶ久佐』(以下、「しのぶくさ」)は薩摩藩の歌人である八田知紀(はった・とものり 1799~1873)の個人和歌集です。1855年に初版が刊行されましたがこの本はその後、全4編を一冊に合わせて再刊した本で刊行年は不明です。「志(し)」「乃(の)」「布(ぶ)」「久(く)」「佐(さ)」は当時の仮名文字で、普通に使用されていました。漢字表記をすると「忍草」「偲草」ということになり植物の名前であると同時に昔を偲ぶ歌集という意味合いがあります。
 八田知紀は幕末頃に和歌(わか=日本(大和文化圏)における平安時代以来の公式文学)の中心人物として活躍し、琉球王国を代表する政治家・文人である宜湾朝保(ぎわん・ちょうほ)の和歌の師でもありました。
 琉球の歌人らとも親しく交流しましたので、この「しのぶくさ」など知紀自身の歌集や知紀が編集に関係した歌集には琉球の文人らとの交流をうかがわせる記述が数多く見られます。

 歌題(かだい)・構成は古今和歌集(こきんわかしゅう 905年成立)以来の伝統的なかたちにならい、四季の歌~恋の歌~雑(ぞう)の歌という配列を基本としていますが、全4編全体としてみると、何度か編集された歌集を特に再構成せずに増補を重ねて全4編になったということのようです。
 歌は季節の歌が中心ですが、当時の一般的な名所である奈良・三輪山(みわやま)、京都・大堰川(おおいがわ)などから、平安時代の古典的人物である西行(さいぎょう)や中国の古典的人物である陶淵明(とう・えんめい)など多岐にわたります。
 
 上述のようにこの歌集には、琉球の文人との交流をうかがわせる歌が多く収録されていますが、「三ノ下 十二」(=第3編の下巻、第12枚目)と記されたページには、しばしの親交ののちに琉球へ帰る宜湾朝保との別れを惜しむ送別の歌が掲載されています。知紀は、宜野湾親方(ぎのわん・うぇーかた=宜湾朝保(ぎわん・ちょうほ)のこと。朝保は琉球王国末期を代表する政治家・文人。「親方」とは首里王府の官位名)が琉球へ帰るという春の日に別れを惜しみつつ「花下惜別(はなのしたのせきべつ)」という題でこの歌を詠む、という詞書(ことばがき=歌の説明。近代短歌では簡略化されるようになった)を記して、次のような和歌を朝保に贈っています。
 
 「あかでゆく 君をおもへば 中々に ちらぬもつらき 山桜かな」
 
 (互いに名残りが尽きないままで、旅立つ君を思うと、本来は散ってほしくない山桜だが、見事に散ってその美しさを君に味わってもらいたかったものだ ※平安時代の昔から「花」「さくら」といえば通常はこの山桜(ヤマザクラ)」のことです。江戸時代に品種改良して生まれた「ソメイヨシノ」同様、気候の関係で山桜は琉球・沖縄では見られないので、知紀はことさらに気持ちを込めてこの山桜の歌を贈ったのでしょう。)

(鶴田大)

参考文献・調査ノート

(参考文献)
『近世沖縄和歌集』(池宮正治 ほか編 ひるぎ社 1989年刊)
『日本古典文学大辞典』(岩波書店 1984年刊)
ほか

(調査ノート)
・全4編の構成をみると、各編がそれぞれ独立した歌集であることがうかがわれます。第1編は特に章立ての記載が無く様々な和歌が収録されています。第2編は上編と下編に分かれ、上編には春夏秋冬~恋~雑(ざつ、ぞう)の歌が配列されています。下編にはなぜか四季の歌が二回繰り返された後で恋~雑の歌が収録されています。第3編は上編が四季と恋、下編は雑の歌で上編を受ける流れですが、なぜかそのあと改めて四季の歌が配列されています。第4編は上・下編で四季~恋~雑という統一的な構成となっています。全体の構成や成り立ちについては調査中ですが、おそらく、古今集以来の伝統的な配列で何度にも渡って編んだ歌集をそのまま合わせたものでしょう。
・「しのぶくさ」の写本で「上編 下巻 雑部」と記された本(→資料ID1002010153)には、この本の第三編の下編と同内容であることが確認できます。解説本文で挙げた宜野湾朝保を贈る桜の歌が掲載されているのも確認できます。

(鶴田大)
しばらくお待ちください