東の家と西の家 [山之口貘自筆原稿] A-C群 (ひがしのいえとにしのいえ やまのくちばくじひつげんこう)

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概要・解説文

 1953年6月号「新潮」に掲載されました(日本画家で東京芸大教授吉岡堅二のカタツムリのカットが添えられています)。1944年から48年までの4年間、一家は空襲の激しくなる東京を離れて茨城の妻の実家に疎開しました。この作品はそのときの見聞をもとにした作品です。戦後すぐに実施された農地改革に伴う〈地主〉(西の家)と〈小作農〉(東の家)の土地所有をめぐる争いを、〈法〉〈恩〉〈義理〉〈税金〉をキーワードにシリアスに描いています。改革の目的は、農業に従事していない大地主から土地を強制的に買い上げ、それを小作農に売り渡し、小作農が自らの農地で自活できるよう、地主と小作農の格差を埋めることでした。小作農は土地を貰い、地主は強制的に土地を取られるのですから、地主は納得できません。〈西の家〉の地主は〈恩〉と〈義理〉を持ち出し〈東の家〉の小作農を説得します。そしてついに、小作農は地主の説得に折れ、土地の返却を申し出ることになりました。しかし今度は、地主は返却には及ばないと申し出を断ります。〈法〉によって土地に〈税金〉が課税されることを知ってしまったからです。
 原稿群は、C群(153-224:全72枚、全て同種の原稿用紙)は単独で保管され、B群(32‐151:120枚、4種類の原稿用紙が混在)はA群(2‐30:全29枚、2種類の原稿用紙が混在)に包含された状態で保管されていました。A群(1参照)B群(31参照)は原稿用紙が著しく紙焼けしており、見た目にもC群(152参照)より古い原稿群であることが確認できます。内容から見て、作品はA群→B群→C群の順に書き継がれたことは明らかです。各群の総タイトルが、2「農村風景 小作人」(A群:極細の万年筆で書いた最初のタイトルを消去して後に中字の万年筆で「農村風景 東の家と西の家」に改題)→32「小地主」(B群)→152「東の家と西の家」(C群:表題の上部に「2回目の推敲 発表後」の添え書きがある)の順となっており、それぞれの原稿タイトルも7「農村風景 小作人」(A群)→32「農村風景 小作人」47「農村風景 小地主」124「東の家と西の家」(B群)→157「東の家と西の家」(C群)のように古いタイトルと重なりながら決定稿に近いタイトルになっているからです。そしてタイトルの変化に伴って、争いの言い分が、小作農の視点から地主の視点へ、地主の視点から双方の視点へと次第に相対化されながら描かれています。ものごとを一面から観察せずに多方面から観察しようとする詩人の鋭いまなざしが感じられます。本文の書き出しは119あたりから落ち着き始め、151に至ると本文そのものも掲載本文と同一本文になってきます。
 この作品は遺稿集『鮪に鰯』に収録される予定でした。現存する『鮪に鰯』編纂用清書原稿の中に作品が収められていることからも明らかです。しかし詩集編集作業の折、何かの手違いで収録から漏れてしまいました。願わくは、当作品を収載した本来の形で『鮪に鰯』を読み直してほしいと思います。ちなみに『鮪に鰯』には「東の家」(1948年7月号「改造」)、「西の家」(1952年3月号「群像」)というそれぞれに独立した作品も収められています。読み比べてみてください。*文中の数字は画像のデジタル番号です。原稿用紙枚数と数字が一致するわけではありません。詳細は「『山之口貘文庫』草稿細目」を御覧ください。

 (松下博文)

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