桃の花 [山之口貘自筆原稿] (もものはな やまのくちばくじひつげんこう)

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  • 概要・解説文

概要・解説文

  1963年2月21日号「家庭信販」に掲載されました。原稿は独立した単独原稿群で用紙総数10枚、全て同種の原稿用紙(「FULLNOTE特製」・灰色1類・10×20×2)を用いています。裏表紙(1)には万年筆で「桃の花」という総タイトルが記されています。各原稿用紙のタイトルは6(「ひなまつり」)と11(「桃の花」)に記入され、他の原稿用紙に表題の記載はありません。両者はともに清書稿ですが、内容にかなりの違いが見られます。6「ひなまつり」を全文引用してみましょう。
 〈お内裏さまに三人官女/五人囃しにそして/右大臣左大臣どれもこれも/きちんと坐つてすまし顔をして/菱餅や白酒や/桃の花を前にしてゐるところだ/エプロンで手をふきふき/お母さんが出て来て/まあきれいだと言つた/お父さんは一ぷくしながら/生れ故郷のことを思ひ出したのか/沖縄ではこの日/女の子たちが浜へ降りてあそぶ日で/手に手に花染めの手拭(てぃさじ)をもち/舟や磯に集ひ/小太鼓の音もにぎやかに/踊つてうたつて/厄彿ひをするのだと話した〉
日本と沖縄の雛祭りの風習上の違いが書かれています。前半は日本の伝統的な雛壇の風景が描かれ、後半は〈お父さん〉が回想する沖縄の雛祭りの慣習が描かれています。旧暦3月3日は沖縄では浜下り(はまうり)といい、女性が浜へ行き身を清める習慣がありました。しかし11の「桃の花」では、こうした内容が完全に削除され、かわって〈ミミコ〉の出身地(アイデンティティ)にまつわる〈パパ〉の複雑な心境が前面に押し出されています。〈東京〉生まれの〈ミミコ〉が、両親の出身地を丸抱えしながら返事に窮する場面は、そのまま日本と沖縄のはざまで揺れ動く貘の胸中そのものです。〈いなか〉を問われてすんなり〈沖縄〉と答えずに、〈パパは沖縄で/ママが茨城で/ミミコは東京と答えた〉という〈ミミコ〉の返事を聞き、一呼吸おいてタバコに火をつけ、表に出て桃の花に目をやる〈パパ〉の姿には、友達に応答した娘の返事にもどかしさを感じながらも、そのもどかしさを自らに向けて問う貘の内面が浮き彫りにされています。一人娘の山口泉さんは1944年3月生まれ。作品が掲載された63年には19歳になっていました。大人への階段を一歩ずつ昇りながら自らのアイデンティティを問い始める年頃です。2には貘の手になる万年筆書きの五段組雛壇のスケッチが描き込まれています。*文中の数字は画像のデジタル番号です。原稿用紙枚数と数字が一致するわけではありません。詳細は「『山之口貘文庫』草稿細目」を御覧ください。

 

(松下 博文)

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