山水図 (さんすいのず)

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概要・解説文

鉄翁祖門(てつおう・そもん)画 『山水図(さんすいのず)』解説


 鉄翁祖門(1791~1872)は長崎生まれの画僧(絵を修行・趣味の一つとするお坊さん)です。鉄翁は清人(中国人)から直接、水墨画を習いました。これは当時、珍しいことでしたから、最新の中国画の影響を受けた独自の画風は多くの画家に影響を与えました。鉄翁ら長崎で活躍した画家たちは長崎派と呼ばれます。
 鎖国時代の日本で琉球王国とともに日本の「窓」であった長崎の画僧が描いた絵が沖縄に伝わっていることは興味深いことです。
 画家自身の詩文は、天地の悠久さを讃える内容です。「山川」「草木」(さんせん、そうもく)という言葉はインドで生まれた仏教が日本の伝統的な自然崇拝と融合したことを象徴する言葉としてよく知られ、中国風の中にも日本風が感じられるこの絵の雰囲気とよく響き合ってみえます。

 
(鶴田大)

詳細解説文

鉄翁祖門筆(てつおう・そもん)筆『山水図(さんすいのず)』解説(詳細版)


 この絵は、鎖国時代の日本で琉球王国とともに日本の「窓」であった長崎の画僧(絵を修行・趣味の一つとするお坊さん)が描いたもので、こうした絵が沖縄に伝わっていることは興味深いことです。

 

 鉄翁祖門(1791~1872)は長崎生まれの僧侶で、絵を中国(清)人の石崎融思(いしざきゆうし)に学び、また多くの画家を育てました。鉄翁ら当時、長崎で活躍した画家たちは長崎派と呼ばれ、画風は様々ですが、ヨーロッパの絵や中国の画家から直接影響を受けながら新鮮な絵画を多く描きました。

 

 画面にある漢文は絵に合わせて画家自身が作った詩文(自画賛)で、天地の悠久さを讃え、草木が季節の移り変わりに従って移ろうことを歌っています。詩の中に「山川・草木(さんせん・そうもく)」という言葉がありますが、これはインド発祥の仏教が日本の伝統的な自然崇拝と融合したことを象徴する言葉として「草木・国土」などと共にしばしば登場します。山や川、草や木にもあらかじめ仏性(ぶっしょう)が備わっており、つまりはあらゆるものに仏(真理、正しい道)が宿っているという世界観です。
 日本の多くの山水画家は木版本(もくはんぼん)である『八種画譜(はっしゅがふ)』などをお手本に想像上の中国の風景を描いていましたから、鉄翁の絵には、師の清人・融思(ゆうし)から直接習った、中国山水画の新鮮な雰囲気がみられるのではないでしょうか。

 
(鶴田大)

参考文献・調査ノート

(調査ノート)
・絹本墨画(淡彩?)、軸装・一幅。
・書誌データ「甲寅初秋日 長崎画僧。 檀野礼助氏から東恩納寛惇氏へ寄贈画 華岳鉄翁 / 著」
・鉄翁祖門(てつおうそもん 1791~1872)は長崎生まれの画僧。南画(≒文人画=職業画家ではない趣味人による画)家。
・鉄翁自身による自画賛(五言絶句)と年記あり。
・漢詩(翻刻)「天地長不「没。山川無「改時。草木「得常理。霜「露榮悴之。」
落款年記「甲寅初秋日 華岳鉄翁 □(朱方印 一顆)」
・「甲寅(きのえとら)初秋 華岳鉄翁」とあるので1854年の作品と知られる。「華岳」と記したのは「華嶽山春徳寺」の住職を務めたことから雅号の前に付したのであろう。(鉄翁は一時、春徳寺を出て他の寺の住職を勤めていたので要年代整合性確認。)
・『古画備考』「四十九 長崎画人傳」に「釈祖門 号鐵翁。住於春徳寺。初学画於石崎融思。後亡幾。更師清人江稼圃。不失其師授。能画水墨山水花卉。今見行于世。」とみえる。門人の名も多く並ぶ。(『増訂 古画備考』巻十六、p2186)
・この時代(18~19世紀)の文人画、山水図の様式をよく伝えている。馬遠・夏ケイらの宋代山水図を古典と仰ぎながら様々画風の山水図が描かれた時代で、曽我派、文晁派にも通ずる雰囲気を持つ佳作。
・山中に水辺と建物を描く、こうした山水図を「書斎図」と呼ぶことがあるが、実はこうした風景画はどこか特定の場所を描いたものではなく、「見てみたい」「行ってみたい」そしてそこで「遊んでみたい」という理想の風景(ユートピア)を描いたもの。鉄翁自身の詩もそのような山川草木(さんせんそうもく)を讃える内容となっている。
・画賛「山川草木」とは仏教と自然崇拝の融合である「天台本覚思想」の中心的キーワードである「草木国土悉皆成仏(草も木も土地もあらゆるものがあらかじめ仏性を持っているの意味)」とつながりのある言葉で、しばしば仏教の影響を受けた文芸(例えば能楽など。)に登場する。書画に親しんだ僧侶らしい内容の仏教詩=偈(げ)とも云える。


 

(鶴田大)
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