新樹風 (しんじゅにかぜあり)

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概要・解説文

宜湾朝保(ぎわん・ちょうほ) 自筆和歌『新樹風(しんじゅにかぜあり)』 解説  

 

 歌は「せっかくの見事な新緑なのに、なんだか桜の花がすっかり散り果てたあとを訪ねているような場違いのような、心もとない気分がする。強い風に若葉がはげしく音を立てるからだろうか」というような内容で、朝保の生きた時代を重ね合わせると、やってくる新時代に対する不安をこの歌に託して述べているようでもあります。

 朝保(1823-1876)は琉球王国最末期の三司官(さんしかん)として国政を担った政治家であり、王府時代最大の文化人の一人として、特に和歌文学に熱心でした。小国・琉球の政治家たちはすぐれた国際外交家でもあり、中国の公式文学である漢詩、また漢詩と共にヤマト文化圏の公式文学であった和歌、自国の公式の文芸である琉歌・組踊などを修めていたのです。

現代は経済や法律に強い人が政治を担う資本主義・法治国家の時代ですが、伝統社会の政治はいわゆる「徳治主義(とくちしゅぎ)」でした。人徳のある人が国政にたずさわるのが最も好ましいというわけです。儒教(じゅきょう)の思想などが背景にありますが、政治家は文学(=人の心の機微の表現)に秀でた人がふさわしいと考えられていたのです。政治家たちは文芸の会を催しては政治家間の親交を図り、よりよい国内行政・国際関係を構築していたのです。
特に朝保がこの時期、盛んに薩摩藩の政治家・文人らと歌会(うたかい=和歌を詠み披露しあう会)を開いていたのは、明治政府の中心となる薩摩藩とより深い親交を保つことで少しでも琉球・沖縄が安定・発展的な位置を占めることを期待していたと考えられます。朝保らの薩摩藩との親交が明治時代の琉球・沖縄のよりよい立場の確立に結びついたかどうかについては、疑問ですが、朝保が親交を結んでいた薩摩藩士らが明治政府の文化部門や行政の中枢を担い活躍していったのは史実です。

時代の流れを読みながら、内戦のような大きな混乱を防ぎつつ、琉球王国を明治日本の一部へと編入させようと尽力した文人政治家・朝保は、琉球王国の終結に加担したとして、多くの人々から非難を浴び不遇な晩年でもあったといわれます。こうした朝保にとって和歌や文芸仲間は大きな心の支えだったことでしょう。

 
(鶴田大)

参考文献・調査ノート

(参考文献)
『沖縄美術全集 4 絵画・書』(沖縄タイムス社 1989年)
『近世沖縄和歌集』(池宮正治他 ひるぎ社1990年)
『宜湾朝保 沖縄近世和歌集成』(池宮正治編 緑林堂 1984年)ほか


(調査ノート)
○「新樹風 ちりはてし 花のあととふ ここちして わか葉のうへに 吹あらしかな 朝保」
(≒新樹風  散り果てし 花の跡 訪う心地して 若葉の上に 吹く嵐かな 朝保)
○大書の和歌書きらしく短冊・冊子などとは異なる書風を見せる。字体そのものは通常の小文字を書いたものと似通うが、筆の速度、濃淡がよりダイナミックになり、大書ならではのゆったりした滲み(にじみ)が味わい深い。
○この和歌は朝保が編集した『沖縄集 第二編』(1876年刊。歌番号301)、朝保の個人歌集である『松風集(しょうふうしゅう)』(1890年刊。歌番号 211)に掲載あり。
 

(鶴田大)
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